『父と暮せば』 あらすじ

① 1945年8月6日の午前8時15分。原子爆弾が落とされた。舞台は、それから3年後のヒロシマ。比治山の東側、福吉美津江の家。図書館に勤める美津江は、ある日、訪れた木下青年に一目惚れしてしまうが、恋をすることを自分に禁じている。そこへ死んだはずの父、竹造が現れる。お調子者の竹造は「恋の応援団長」として、娘を励ますのだが…。

 

② 「夏休み子供おはなし会」にむけて練習に励む美津江。父と娘のやりとりの中に、当時の人々の暮らしが浮かび上がってくる。占領軍による監視のもと、原爆資料は公表を禁じられていた。「前の世代から後の世代に伝える」物語。あの日あの朝、広島で一体なにが起こったのか…。

 

③ 美津江もまた被爆者であった。その上、愛する人々のほとんどを原爆で失い、ひとり生き残ったことを申し訳ないと思っていた。「うちが生きとるんはおかしい…」。うしろめたさを感じ、恋をすることも前を向いて生きる事もできずにいるのだった。

 

④ 木下青年と一緒になって幸せになって欲しい…。そう願う竹造は、あの日の最期のことを思い起こしながら、娘を励まし、さとす。ついに美津江は、自分が「生かされている」意味を知り、幸せになってもいいのだと気づかされる。

 

 

(一幕四場、上演時間・約80分。セリフは「広島ことば」で語られます。)